フリーランスとして生計を立てやすい職業の1つがプログラマーです。
「フリーランスになりたい」という人が増えている中でプログラマーはフリーランスになるための敷居が低く、スキルでのアドバンテージもある職業です。
- 外注しやすい
- リモートワークしやすい
- 開発案件が豊富(需要がある)
上記の3つがプログラマーがフリーランスとして活動しやすい大きな理由かと思います。
フリーランス化を後押しするかのように、フリーランス支援の人材サービス(以下フリーランスエージェント)やクラウドソーシングも充実してきました。
特に、システム開発系の求人案件や請負案件は他の仕事に比べても高額です。
まさに、プログラマーが個人で稼ぎやすい環境が整ってきていますね。
こんな良い環境が整ってきている中で、「自分もフリーのプログラマーになろうかな」と考える人も増えてきています。
今回は実際にフリーのプログラマーになるにはどうすれば良いのか、プログラマーがフリーランスになる際に気を付けたほうが良い点、事前にやっでおいた方が良い点などをご説明します。
- 失敗しないためのアドバイス
といった感じですね。
それでは、一緒に見てきましょう。
目次
フリーランスプログラマーの年収・相場感
まずはフリーランスプログラマーの年収・相場感から解説します。
企業に所属していた方がメリットがある人もいますからね。しっかりチェックしておきましょう。
フリーランスエージェントを利用する場合: 案件・言語で相場が異なる
フリーランスのプログラマーとして活躍している人に多いのがフリーランスエージェントを通して開発プロジェクトに参加する方法です。
ITフリーランスの仲介で有名な企業は「レバテック」「ギークスジョブ」などですね。就職や転職ではなく、フリラーンスの案件を仲介する事業に特化しています。
フリーランスエージェントでは「業務委託契約」という契約方法が主流です。働いた時間を基準にお金をもらう方法で、納品義務や完成義務が無いのが特徴です。
逆に納品義務や完成義務がある場合は「請負契約」という契約を結びます。
業務委託はIT企業に限らず、メーカーや商社などのIT部門でのシステム開発でも頻繁に募集をしているので仕事が見つかりやすいというメリットがあります。
ただ、案件と扱うプログラム言語によって契約の単価が変わってきます。
フリーランス案件が検索できるgeechs.jobによると、PHPの案件は450,000〜600,000円/月ですが、Javaなら700,000〜900,000円/月です。
Java案件だと真ん中の80万円くらいは狙えるでしょう。その仕事を1年続けると960万円くらいの年収になりますね。
会社員をしていたころは年収1000万円と聞くと夢のような数字に見えます。
ただフリーランスになると案外すぐに達成できてしまう数字ということになります。
自分で事業をする場合: 最初のうちは収入が安定しない
フリーランスエージェントを利用しない場合は、自分で商品を考えたり営業する必要があります。
当然ですが売れないと生活ができません。事業が回りだすまでは不安定で大変かもしれません。ただ、売れだすとエージェントを通すよりはるかにたくさんの収入が得られるのが特徴です。
ピンキリなので相場というものが存在しませんが、労働集約型ビジネスで一人で稼げるMAXの額は年収3000万円くらいが目安です。
それ以上いくには、ブログやYouTubeなどのネットワーク効果が効くものを事業に取り入れないと難しいです。
フリーランスになる前にやっておくべきこと
開業届、青色申告承認申請書の提出
開業届、青色申告承認申請書はフリーランスになるときにセットで税務署に提出するものです。
白色申告という青色申告の簡略版がありますが、税制が優遇される青色申告を提出するのが一般的です。
開業届け関係は会計ソフトfreeeさんのページが参考になりますよ。
クレジットカードを作る(審査が必要な契約を済ませる)
フリーランスになると収入が安定しなくなる。収入が安定しないとお金が返済できないかもしれない。という理屈で銀行やカード会社からの社会的信用が下がります。
クレジットカードなどの審査が必要なものは退職前に済ませておきましょう。
保険関係の確認(失業保険、国民年金、国民健康保険(任意継続の方が得になるかも))
企業勤めのとき↓
- 年金: 厚生年金保険
- 健康保険: 健康保険
フリーランスになると↓
- 年金: 国民年金保険
- 健康保険: 国民健康保険
になります。
任意継続という健康保険の制度もありますので、「任意継続」と「国民健康保険」のどちらがお得か自分の状況に合わせて選択しましょう。
こちらもfreeeさんのサイトが参考になりますよ。
受注契約、業務委託契約
フリーランスエージェントを利用するにしても、自分で事業をするにしても、契約はしっかり取り交わしておきましょう。
「案件がやっぱり無くなった」ということはよくありますからね。
ブログを作る(同時に独自のメールアドレスも取得)
自分のプロフィールや仕事内容、お役立ち記事が紹介できるブログを1つ作っておくと便利です。
ブログが充実すると優秀な営業マンになってくれます。
フリーランスエージェントに登録する
フリーランスエージェントは企業の業務案件を紹介してくれる仲介企業です。
転職エージェントのフリーランス版と考えるとイメージしやすいかと思います。フリーランス向けの業務委託の案件を豊富に取り揃えています。
案件の契約、お金の回収、営業、報酬交渉まで行ってくれるため、フリーランスは自分の仕事に集中できます。食いっぱぐれる可能性が低くなりますし、企業からの業務委託を受けることでご自身の成長に繋がります。
フリーランスエージェントの案件は週3で、残りは自分のビジネスに集中するといったことも可能です。
まずは登録しておきましょう。
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Webマーケティングの勉強を始める
最近は「え?これ無料でいいの?」と思えるような情報がTwitterやブログで書かれています。
ホントいい時代になりました。逆に情報に価値は無く、その情報を使って実践しないと価値が無いとも言えます。
個人でも実践できる超優良なWebマーケティングの手法はネット上にたくさん出回っています。
そのような情報をネットで収集していると「こうすれば稼げる」「こうすればアクセス数が上がる」という方法を吹聴している人たちを目にすることがあります。
上手くいかないとそのような情報商材を購入したくなりますが、1振りで解決する魔法の杖はありません。
実行チェック改善を淡々と繰り返していくようにしましょう。
契約からお金の回収まで全部1人でやってみる(できれば)
フリーランスになると契約から回収まで自分1人でやらなければなりません。
リハーサルという意味合いも兼ねて以下を一通りやっておくとベターです。
- 見積り
- 契約
- 実作業
- レビュー〜修正
- 納品
- 請求
- 振込確認
知人に経営者がいるとリハーサルしやすいです。
フリーランス1年目で失敗しないために準備しておくこと
実際にフリーランスとしての活動をスタートした際に気を付けたほうが良い点をご紹介します。
初案件は口約束で済ませない【契約書にサインをもらおう】
まず受注や業務委託や派遣などの形態で働く場合、相手先との契約が必要になります。
ここで注意していただきたいのが、必ず「書面」で契約に同意した旨のサインを契約書にいただきましょう。フリーランス活動を始めたばかりの方には、打合せや面接で口約束をしただけで作業に入ってしまう人がいます。
後になって、支払いや待遇で「話が違う」と言っても証拠が無いとウヤムヤにされてしまう可能性があります。また仕事の依頼があり契約したつもりでも、相手先の都合で案件を無かった事にされるケースもあります。
最初はどうしても「お金がほしい!」と焦ってしまいます。
ただ、そこは一呼吸置いて本当に信頼できる企業(個人)かを見定めてから仕事をするようにしましょう。
体が資本!退職前に健康診断は必ず受けておこう
フリーランスにはサラリーマンと違い有給休暇なんてありません。
怪我をしたり病気になるのはフリーランスにとって致命的です。体調を崩して仕事が出来なくなったら、それだけ収入が減ります。
「何をするにしても身体が資本です」なんて言葉をテレビやネットでよく聞くと思います。フリーランスになると本当に身体が資本になります。
退職前もそうですが、年に一度は必ず健康診断を受けておきましょう。
税務関係の知識を徐々にインプットしよう【経費にできる項目を抑えておこう】
フリーランスは収入だけでなく、お金に関する事は全て自分でやる必要があります。
年末調整なんて会社務めの頃は経理がやっていたからわからない…といってやらないわけにはいきません。下手をすると収入減にもなりかねないので、節税も兼ねて最低限の税務知識を勉強しておきましょう。
ちなみにギークスジョブでは確定申告の時期になると税務のセミナーを開催してくれます。
これからエージェントサービスに登録しようとしている人は付随するサービスも考慮に入れて決めましょう。
フリーランスエージェントに登録しておこう
「自分で営業して案件を取る!」
「ブログの広告収入で100万目指す」
と意気込むのは良いですが、フリーランスエージェントには必ず相談しておきましょう。
なぜなら、思い描いたビジネスが上手く行かなかったら収入がなくなります。
生活できなくなってしまう状況だけは避ける為にも、フリーランスエージェント数社に登録しておきましょう。
「週3はエージェント仲介の企業へ、それ以外は自分のやりたいことをやる」といったハイブリッドな方法も可能です。
安定した基盤は必要です。土台をしっかりさせつつ、自分のやりたいことをやりましょう。
プログラマー未経験からフリーランスになる方法
とにもかくにもプログラミングの勉強から
プログラマーがフリーランスになる事情についての事を説明してきましたが、中にはプログラミング未経験でも「フリーランスのプログラマーになりたい」と思っている人もいるでしょう。
そんな方はまずプログラミングを勉強しましょう。プログラミングが人並みに出来なければ話になりません。
まずはProgateでプログラミングをやってみる
ProgateはHTMLやJavaScriptなどの基礎知識や簡単な文法を学習して演習テストまで出来るプログラミング学習Webサイトです。
無料登録で様々なプログラミング言語のレッスンが受けられるので、ぜひ活用しましょう。とにかくやってみる事が重要です。
仕事をくれる人脈作りのためにもプログラミングスクールに通う
「プログラミングスクール?」
「なんで?高いしイヤだよ。」
と思うかもしれませんが、毎日バリバリやってた人がフリーランスのプログラマーになるんですよ。全く経験のない状態から本当にフリーランスになりたいなら、効率がよく密度も濃い学習が必要ですよね。
自分のこれからのキャリアに対してそれなりの自己投資が必要です。
本当になりたいならですが。
以下でメリットデメリットをサラッと解説しますね。
フリーランスになりたい人がプログラミングスクールに通うメリット
- プログラミングができるようになる
- 仕事(開発案件)を紹介してくれる
この2つが大きなポイントですね。
プログラミングができるようになるのは当然。さらに仕事の紹介もあります。
いきなりフリーランスになってもどのように仕事を探して案件を獲得すればよいかもかわからないですよね。たぶん路頭に迷います。
スキルも仕事も無い状態から、自分の頑張りに呼応してキャリアや仕事のサポートをしてくれるのがプログラミングスクールです。
オススメのプログラミングスクール
- TECH CAMP ※初心者向けに洗練されたカリキュラムと教材が特徴
- Dive into Code ※Rubyがしっかり学べる。キャリアサポートも手厚い
フリーランスになりたい人がプログラミングスクールに通うデメリット
- 初期投資が必要
- 勉強時間の確保が必要
この2点ですね。あとはやる気次第です!
クラウドソーシングで受注してみる
プログラミングスクールに通っていくうちにプログラミングやWebサイトが作れるようになってきたらクラウドソーシングにチャレンジしてみましょう。
クラウドソーシングではプログラミングに関する簡単な案件も多く、初心者歓迎という内容のものもあるので勉強も兼ねて受ける事が出来ます。
スクールに通ってある程度の実力がついたら試してみましょう。
フリーランスエージェントに相談してみる
利用するつもりは無くても、保険という意味合いも兼ねてフリーランスのエージェントには一度相談をしておきましょう。
こちらのスキル・経験を踏まえて実力に見合った案件を紹介してくれます。自分の実力が客観視できる良い機会でもあります。
ポートフォリオがあるとベターです。
在宅フリーランスプログラマーとして仕事をするためには
フリーランスとして活動するのであれば、理想は自宅で仕事をする形態の「在宅ワーク」を希望する人も多いでしょう。では実際にフリーランスエンジニアは在宅ワークが可能なのでしょうか。
フリーランスエージェントの案件は基本的に企業常駐
フリーランスで多いパターンは業務委託契約や請負契約などで、基本的には企業に常駐するタイプの案件です。
これはシステム開発会社など協力会社も同様で、契約している企業の中で働く事によって効率的に進める事が出来るからです。
基本的には企業常駐ですが、2020年4月以降は社会情勢が変わり特にIT企業ではテレワークが推奨されるようになってきています。
大企業の業務システム開発案件など常駐せざるを得ない案件などもありますが、テレワークOKな案件も増えてきています。
ただし全てをテレワークで済ますことはできません。打ち合わせで会社に行かなければならないこともあります。
完全な在宅ワークはほぼ無いと思っていた方が良いでしょう。
クラウドソーシングで案件を獲得する
先述したクラウドソーシングも多くのフリーランスエンジニアが働いています。規模が小さいものから大きいものまで数多くの案件がありますが、単発で終わってしまうものもあります。
しかし中には運用案件で継続して契約してくれる案件もあります。出来る限り長期的で単価の高い案件を狙いましょう。
クラウドソーシングは相手の顔や声がわからない状況で契約交渉をします。なので、登録しているプロフィールやポートフォリオが特に重要しされます。
条件交渉時に「ポートフォリオ、または実績を見せてください」と発注元から言われる事はよくありますので、Web制作・ホームページ作成などを受注したい場合は架空の企業サイトやオウンドメディアを作成さておきましょう。
ポートフォリオには色々なWebサイトを閲覧し、一覧ページや応募フォームなどよく使われるコンテンツを入れておけば相手先とのやり取りで参考にできる事もあります。
在宅フリーランスプログラマーになるための筋道
フリーランスになっていきなり自分の力だけでバリバリ活躍出来るケースは稀です。
元々色々なコネクションがあったり得意先を持っている場合を除いて、駆け出しの時は仕事探しに苦労するでしょう。
なので最初は以下のような流れがオススメです。
- フリーランスエージェントの案件
- 徐々に在宅ワークにシフト
フリーランスエージェントを頼り、案件を紹介しつもらい仕事の進め方や流れを経験しましょう。慣れてきたら自分で仕事を開拓し始め、徐々に在宅ワークが出来るようにしていく事をおすすめします。
まとめ
プログラマーがフリーランスになって失敗しないためのポイントを解説しました。
最後に、これまで解説してきた失敗しない方法について箇条書きでまとめますね。
- 「エージェントの案件」と「自分の事業」の兼業がオススメ
- 契約書は大事
- 体が資本
- ブログを始める
- Webマーケティングの勉強を始める
- フリーランスエージェントに登録する
フリーランスエージェントは以下の記事で詳しく紹介しています。継続的に仕事がある状態を保つためにも、フリーランスになる人はエージェント登録は必須です。
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