「SIerより自社サービス保有のIT企業に転職したい」
「新規事業を作りたい」
上記のような人に向けて、自社サービス展開しているIT企業に転職するための情報をまとめました。
メリット・デメリットを把握した上での転職に役立てて頂ければ幸いです。
目次
自社サービスIT企業に転職するデメリットを把握しておこう
自社サービスを持っているIT企業は社会貢献性が高そうだったり、最新の技術を取り入れられるなど良いイメージがあります。
ただ、受託開発と比べたときのデメリットも存在します。実態を知っておかないと、転職後に後悔する事も少なくありません。
最初に自社サービスIT企業に転職した場合に、どのようなデメリットがあるのか解説します。
様々な仕事を経験することができない
自社サービス保有のIT企業なら「ある程度自由に仕事ができそう」と思われる人もいるかもしれませんが実際はそんな事はありません。
役割分担が決まっており、担当する仕事の範囲が限られているケースが多いです。そうなると、同じような開発や作業をすることが多くなり、経験できる技術の幅が限定されてきます。
受託開発ではプロジェクト単位でさまざまな業務を行い、時に客先常駐することで多くの人とコミュニケーションをとることもあります。
求められる仕事内容や使用する技術も異なるため、より多くのことを経験することが可能です。
ベンチャーやスタートアップの企業では、自分の裁量である程度できることが多い場合もあります。ただし、会社の経営方針によっては実施できることが制限される可能性もあります。
もし違う仕事や業務にチャレンジしたい場合は、自分から上司や社内に積極的に働きかける必要があります。
不具合によっては徹夜・土日出社もあり
自社サービス(特にBtoCのサービス)は企業の利益に直結しています。不具合の規模の大きさによっては企業の利益を大きく損なう危険性があります。
そのため、不具合があった場合は緊急な対応を求められます。サービスが停止し運用が止まっている状況では、徹夜・土日出社で対応してでも復旧させなければなりません。
特に利用者の多いサービスであればあるほど、不具合の影響が大きく企業の信用失墜につながります。
ユーザーを失うことにもなるでしょう。システムが正常に動かない状況を一刻も早く改善するため、数日の徹夜、土日出社を余儀なくされるケースもあります。
問題解決能力がより求められる
自社開発と受託開発では、求められているコミュニケーションの目的がやや異なります。
受託開発では、受注先である顧客とコミュニケーションをとる機会が多いです。折衝、説明、連絡、報告などです。そのため、できるかぎり平易な言葉で分かりやすく伝えることが重要視されます。
「顧客を混乱させない、不安にさせない」ことが大切です。
自社開発では社内のエンジニアとコミュニケーションをとります。問題解決のための連携や相談といったケースが多いです。
「問題の本質を明確にする能力」「事実と推測・仮説を切り分けて考え、説明する能力」といった問題解決のための手順化が求めます。
「この機能を実装するメリットを教えて。開発するに値するの?」と言ってくるエンジニアもいます。納得してもらうためには問題の本質を突いた回答が必要です。
SEに比べて仕事での人脈形成がしづらい
自社サービス企業のエンジニアは、社外に常駐することは基本的にありません。
なので人間関係が社内に固定化されていきます。あまり他人と接したくない、人とのコミュニケーションを避けたいと思うエンジニアにとっては良いですが、人脈を広げることができないというデメリットがあります。
人脈が広げられないと、さまざまな経験や技術を持った有識者から話を聞ける機会が得られません。自分で意識しないと成長の機会がなかなか得られない状況となります。
人脈を広げたい場合は、社外の勉強会やコミュニティなどに参加し、より多くのエンジニアと会話するとよいでしょう。
スタートアップIT企業は激務(の可能性が高い)
スタートアップ企業は自分の裁量で働ける場合が多いです。
事あるごとに上司に伺ったり、承認を得ないといけないストレスが無いのは大きなメリットと言えます。
しかし、社内制度や社内ルールが未整備であることが多く、社員も少ないため1人の作業量が多くなります。自社サービスの開発・運用以外の業務も加わってきます。
人事や総務を兼務することもあるでしょう。
自社サービスを素早く成長させないといけないプレッシャーもあります。VCから資金調達している場合は尚更です。投資して頂いた株主に報いるために、早く成長することが求められます。
自社の資本比率が高い状態であるか?他から投資や借入をしているのかを転職前にチェックしておきましょう。
自社サービスを運営するIT企業に転職するメリット
受託開発やSEのように様々な機会が得られないというデメリットはあるものの、自社サービス開発ならではのメリットも存在します。
ここでは、自社サービスを運営するIT企業に転職するメリットについてご紹介します。
新しい技術に触れる機会が多い
自社サービスは新しい技術を使った刷新やチャレンジがしやすい環境にあります。
受託開発は確実性、安全性が求められるためチャレンジングなことができません。既存システムの修正、現行システム基盤の上に追加開発するような案件が多く、新規開発した当時のプログラミング言語を利用して修正することもあります。
自社サービスを持つIT企業はでは、次はどんな技術で商品を開発するのかを自分たちで決めることができます。新しい技術を取り込みやすく、最新の技術に触れる機会が多いです。
大規模なシステムであればあるほど、技術刷新がなかなかできないことから、新しい技術を使用する機会が少ないだけでなく、古い技術をいつまでも使い続ける場合が多いです。
特に受託開発で大規模システムに携わると、そのような状況になりがちです。
新しい技術に触れる機会が多いことは、エンジニアにとってモチベーションが高くなる大きな要因となります。
古い技術をいつまでも使い続け、エンジニアとして取り残されることを減らせる点で自社開発は大きなメリットと言えるでしょう。
もちろん、そのような環境の中で自ら積極的に学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。
ユーザーの意見に直接触れることができる
自社サービス保有のIT企業は、意見をユーザーから直接取り入れてシステムを改善したり、一喜一憂したりすることができます。
ユーザーの声が届きやすく、集めた意見をもとに開発する商品に反映していきます。ユーザーの意見に直接触れられることは、受託開発では得られない自社開発のメリットです。
自社製品やサービスを開発した後は、できる限りユーザーの満足度の向上に繋がる改良をしていきます。もちろん、不具合の改修もありますが。
満足度の向上がユーザー数の増加に繋がり、売上に大きく反映します。
自分が作った機能が多くの人に使われて反響を呼んだ場合は相当なモチベーションUPにもなるでしょう。
ユーザーの声を取り入れて改善できる、会社の売上に直結する仕事ができるのは自社サービス開発の良い点と言えます。
受託に比べて納期に追われることがない
自社サービスのIT企業は期限に追われるプレッシャーが受託開発と比べて低めの傾向です。
仮に期限に間に合わなかったとしても「新規サービスであれば公開を遅らせる」「機能追加であれば今回は見送る」といった判断が社内でできるからですね。
受託開発は顧客によって様々ですが、納期が遅れる場合は顧客への説明と説得が必要です。ちなみに話がこじれると訴訟にも発展します。
受託開発は予算と期限が予め決まっている中で開発します。途中で重大な不具合が発生した場合もリカバリしつつ納期に間に合わせる必要があります。順調に進んでいればOKですが、歯車が狂うと相当なプレッシャーの中で仕事をすることになります。
自社サービスはアジャイル方式の開発をしている点も良い点でしょう。「次に修正する」という判断も可能になるため、納期のプレッシャーが軽減されます。
テレワーク可など自由な勤務形態の会社が多い
自社サービスIT企業は他社に常駐することがありません。
自社で決めた就業規則に従って働くことができます。自社サービスを開発しているIT企業は自由な社風の会社が多い傾向にあります。
テレワークやフレックス制度がある会社が多く、場所や時間にとらわれない働き方ができます。
自社サービスIT企業のエンジニアは、社外の人との接する機会があまりないことからカジュアルな服での勤務を許可しているケースも多いです。
私服の方がリラックスして働ける、その方が生産性が高まるという見解もあります。
「できる限り自由なところで働きたい」と考える方にとっては自社サービスIT企業への転職はおすすめといえます。
自社サービスを運営するIT企業に転職するコツ
特に人気のサービスを展開しているIT企業では、即戦力となる優秀な人材を積極採用しています。
ただし、経験や実績がないと入社が困難です。ここでは、そんな自社サービスを運営するIT企業に転職するコツをご紹介します。
ポートフォリオになる制作物・開発物を用意しておく
自分のスキル・実績を証明できる制作物・開発物を用意しておきましょう。
目に見える形で「自分は何ができるか」を見せられるとIT企業に対して大きなアピールができます。
例えば、Webデザイナーであれば自分がデザインした画像やサイト、Webエンジニアであれば自分が作成したホームページを用意するとよいでしょう。
これらを開発した際に使用した技術や苦労した点、それらを自社サービスにどう活用するか、といったところまで説明できるとよいアピールになります。
ポートフォリオは知識だけでなく技術の証明ともなるため、即戦力となりうる技術力を持っていることのアピールとなります。
企業が求める技術とマッチすれば、転職成功の可能性が高まります。
どの程度のスキルがあるのかを具体的に話す、書く
ポートフォリオがない場合はスキルの証明になるものを用意しておきましょう。
作品がなくとも「自分が行ったことについて説明する」「詳細な職務経歴書を提出する」といった方法があります。資格を取得するのもスキルを証明するのに有効です。
企業は即戦力の人材を求めています。「自分はどのようなスキルを持っており、何ができるか」ということをできる限りわかりやすく説明できなければなりません。
IT・プログラミング技術に対する向上心がある
IT・プログラミング技術は進化が大変早いため、常に自分の技術を磨き続ける向上心をもつ必要があります。
IT企業にとっては向上心の高い人材を求めます。最新技術を常にキャッチアップしておきましょう。
IT業界は最新技術を扱える人材が非常に少ないという課題があります。IT・プログラミング技術に対する向上心をもっていることは企業にとって大きなアピールにつながります。
企業としても最新技術を扱える人材が増えることは、マーケティングでも活用できますし、次の採用活動でのアピールポイントにもなります。
特に今後発展するとみられる技術については、技術習得に努めるようにしましょう。
自社サービスについての感想・意見を考えておく
企業は自社サービスをより良くできる人材を求めています。
面接では「弊社のサービスをどう思いますか?」「どう変えると良さそうですか?」「変えると良さそうと思った根拠は何ですか?」といった質問があります。
面接の前に回答を考えておきましょう。
企業にとってメリットがあり、実現性の高い改善案を提示できれば好印象をもってもらえることでしょう。
非公開案件を保有している転職エージェントを活用する
自社サービスIT企業への転職は、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントは無料で利用できるだけでなく、履歴書・職務経歴書の添削、条件に合った企業の紹介など、さまざまなメリットがあります。
転職エージェントはネットでは閲覧できない非公開の求人を保有しています。非公開求人はマッチング率を高めたい企業、極秘プロジェクトでネット公開したくない企業などが登録しています。
非公開求人はネットで公開している求人よりも求人数が多いという点もポイントです。例えば、マイナビエージェントでは保有する求人全体の約80%が非公開求人と言われています。
自社サービスIT企業はSEと比べて求人数がもともと少ないです。求人の母数を上げるという意味でも積極的に活用していきましょう。
自社サービスIT企業に強い転職エージェント
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「自社開発、自社サービスのIT企業のみを取り扱う」というポリシーがあり、SIer企業は扱っていません。
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レバテックキャリア
IT/Web業界のエンジニア・クリエイター専門 | レバテックキャリア
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ワークポート
転職決定人数No1の転職コンシェルジュ | WORKPORT
ワークポートは転職決定人数No1に輝いた転職エージェントです。
IT以外の求人情報も扱う総合転職サービスですが、中でもIT業界に強いのがワークポートの特徴です。
2014年にIT専門の転職エージェントから総合型の転職エージェントになりました。
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