PMO職で転職先を探している人におすすめの転職サービスや年収情報をまとめました。
これから転職活動を始める人、キャリアアップでPMを目指している人の参考になれば幸いです。
目次
PMOの平均年収
正社員として勤務するPMOの場合、平均年収は600万円~700万円程度が相場と言われています。大手SIerなどに勤務する場合は1,000万円を超えるケースもあります。
勤務する企業や雇用形態などによっても変動しますが、総じて平均年収は高い傾向にあります。
PMOの平均年収が高い理由としては、プロジェクトマネジメントの一端を担う業務であり、他の職種と比べて責任が重い仕事であることが挙げられるでしょう。
その分、求められる知識やスキルは広く深いものとなります。
フリーランスPMO
フリーランスのPMOの場合はさらに高収入を目指すことも可能です。
フリーランスPMOの平均月単価は70万円程度であり、年収に換算すると840万円となります。フリーランスの場合はプロジェクトマネジメントに関する深い知識とスキルだけでなく、経験も重要です。
フリーランスのPMOは即戦力としてプロジェクト単位で働くことが多く、これまでの業務経験を活かしてプロジェクトを牽引する必要があるからです。
PMO求人は転職エージェントがおすすめ
PMO求人は母数が多くありません。
そのため、転職サイトだけで求人を探すと、理想とする求人に出会えない可能性が考えられます。母数を増やすのは転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントでは非公開の求人を保有しています。ネットに公開されている求人の2倍〜4倍の求人を保有していますので、転職サイトとあわせて利用することで、あなたの理想の求人に出会える可能性が高くなります。
ここでは、おすすめの転職エージェントを3つ紹介します。
リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは経営幹部やスペシャリストなどの高年収な求人に特化した転職エージェントです。リクルートキャリアが運営しています。
リクルートダイレクトスカウトは担当のコンサルタントを自分で選べるという特徴があります。約600名の優秀なコンサルタントの中から、顔写真や経歴、実績などのプロフィール情報を見て自分の目で選べます。
約4,000件以上と言われる質の良いハイキャリア案件の中から、自分に合った求人を検索し、応募することが可能です。業界や職種は幅広く、業界最大手のリクルートキャリアが手掛けているため非公開の求人数が多いのも魅力の1つです。
>> リクルートダイレクトスカウトの詳細を見る | 公式サイトへ
ビズリーチ
ビズリーチは高収入を狙う人向けのハイクラス求人が多数掲載されている求人サイトです。
「ヘッドハンティング型」という制度があり、転職者のプロフィールや経歴を見た企業から直接スカウトを受けられます。
気になる求人に応募しつつ、企業からのスカウトを待つことで効率的な転職活動ができるのがメリットです。
ビズリーチで全てのサービスを受けるには有料会員になる必要があります。有料会員は2つのランクに分かれており、ハイクラス会員が月額5,478円、タレント会員が月額3,278円です。
会員属性は審査によって決まるため自分で選べませんが、ハイクラス会員になれば年収1,000万円以上の求人が見つかりやすくなります。
JACリクルートメント
JACリクルートメントはハイクラス向けの求人サイトです。
30代〜50代向けの求人情報が多めです。ハイクラスに特化しているため、JACリクルートメントの求人検索では年収500万円以下の選択肢がありません。
業種ごとに担当者が分かれているのが特徴の1つです。IT業界であればIT業界に精通したエージェントが担当に付きます。
PMOの仕事内容
PMOについて簡単におさらいしておきましょう。
PMOはProject Management Officeの略称であり、プロジェクトマネジメントの能力と品質を向上し、個々のプロジェクトが円滑に実施されるように支援する専門部署を表します。
主にプロジェクトマネージャ(PM)とチームメンバーの間に立ち、チームの舵取り役となる存在です。
PMOはエンジニア職と言うよりもマネジメント職であるため、プロジェクトをゴールへ導くための管理業務が主な仕事内容です。
具体的には、トラブル発生時の原因究明や再発防止策を考えたり、日々の進捗管理や品質管理を行ったりと、管理業務を中心に仕事をしています。
PMOとPMを混同してしまう人も少なくありませんが、両者は明確に異なるものです。PMOとPMの大きな違いとしては、プロジェクトの方向性に関する意思決定権を持つか否かと言えるでしょう。
PMはプロジェクトの最終責任者であり、プロジェクトが円滑に進むように方向性を決め、最終的に決定する役割を持ちます。PMOはそんなPMを補佐する立場でもあり、PMの意思決定に基づいて進捗管理などの仕事を行っているのです。
PMは特定の一人であるのに対して、PMOは複数のメンバーから成り立つことがほとんどです。PMOとPMには、このような違いもあります。
IT企業のPMOに転職する方法
IT企業のPMOに転職するためには、特定分野のIT知識・スキルだけでは足りません。ここでは、IT企業のPMOに転職するための方法を4つに分けて解説していきます。
SEからのキャリアアップを目指す
IT企業のPMOを目指すのであれば、システムエンジニア(SE)からのキャリアアップが最も確実な方法といえるでしょう。
なぜなら、PMOの役割はプロジェクトを円滑に進めるための補佐であり、IT関連の開発・業務の流れをしっかりと把握している必要があるからです。
SEは立場的にはPMの配下で働く職種であり、実働部隊のトップとも言える存在です。
PMやPMOが示すプロジェクトの方向性に準じて、実際のシステム開発において設計書の作成やテストの実施などを行います。
SEとしての業務経験はPMOとしてチームメンバーを管理する際にも非常に役立ちます。そのため、SEからのキャリアアップが最も確実な方法と言えるのです。
IT関連の幅広い知識を身につける
PMOを目指すのであれば、IT関連の幅広い知識を身に付け、管理業務の知識・スキルも身に付けましょう。
PMOが管理するプロジェクトの種類は豊富であり、さまざまなIT知識が必要となります。たとえば、Webアプリケーションの開発からITインフラの開発まで、プロジェクトの種類はさまざまなのです。
そんなさまざまなプロジェクトに対して、円滑に進められるように管理するためには、幅広いIT知識が必要となります。
技術的な知識・スキルだけでなく、財務会計や生産管理などの関連する業務全般の知識が求められるでしょう。技術職というよりも管理職であるため、技術的な知識・スキルよりも管理面での知識・スキルのほうが重要といえます。
しかし、技術的な知識・スキルがないと適切に管理することも難しいため、技術面でのスキルも必要なのです。
これらのことから、PMOにはITに関する幅広い知識とあわせて、関連する管理面での知識・スキルが必要となります。
コミュニケーション能力・マネジメント能力を高める
技術面、管理面での知識・スキルが必要とお話ししましたが、同じくらい重要なスキルとしてコミュニケーション能力が挙げられます。
PMOは立場上、チームメンバーを取りまとめる役割を担うため、メンバーと多くのコミュニケーションを取らなければなりません。
また、チームメンバーだけでなく、関連部署やクライアントなどともコミュニケーションをとる機会が多いものです。そのため、人との関係性づくりや円滑なコミュニケーションのために、コミュニケーション能力が必要なのです。
マネジメント能力も必要不可欠です。こちらもPMOの役割を考えれば明らかですが、プロジェクトをマネジメントすることは、チームメンバーをマネジメントすることにも繋がります。
円滑にコミュニケーションを取りつつ、しっかりとマネジメントするためにもマネジメント能力は必要です。
PMOを目指す場合は、コミュニケーション能力・マネジメント能力を高めなければなりません。
文章・資料作成スキルは必須!勉強しよう
PMOは会議で利用する資料の作成や、報告書の作成も重要な業務の一つです。
文章・資料作成スキルは身に付けておくべきでしょう。特定の事象を他人にわかりやすく伝えるためには、ある程度の文章・資料作成スキルは必須です。
たとえば、何らかの問題が発生した場合、以下に挙げるような項目をわかりやすく伝える必要があります。
- なぜその問題が発生したのか
- システムにどのような影響があるのか
- どのように対応するのか
- 今後同事象を発生させないためにどうするのか(対策)
チームメンバーをはじめ、プロジェクトに関わるすべての人にわかりやすく伝えることで、イメージの共有ができます。
プロジェクトを円滑にすすめるためには、このような資料づくりも必要なのです。
スケジュールやタスク・物品の管理に関するドキュメント作成スキルも必要となります。まずは文章・資料作成スキルを身につけるために、関連する知識を学習するところから始めましょう。
PMOの転職に有利な資格
これからPMOへの転職を考えている方は、資格を取得することをおすすめします。
なぜなら、資格を取得することでPMOに必要な知識・スキルを有していることの証明になるからです。また、資格勉強を通して、PMOに必要な知識を身につけることもできるでしょう。
ここでは、PMOの転職に有利な資格を3つ紹介しますので、興味のある資格から挑戦してみてはいかがでしょうか。
PMP
PMPはProject Management Professionalの略称であり、プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格です。
アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)によって、PMBOKガイドに基づいて認定している国際資格となります。
PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略称です。PMIによってプロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたものとなります。
内容は4年に1度のペースで改定され続けており、最新のプロジェクトマネジメントに関する知識を身につけることができるガイドブックです。
そんなPMBOKガイドに基づいて認定されるPMIですが、国際資格であるため日本だけでなく、海外でもプロジェクトマネジメントの知識・スキルがあることを証明できます。
プロジェクトマネジメントに関して、グローバル基準で実力のある人材だと証明できるのです。
注意点として、PMPを受験するためにはいくつか資格が必要となります。
たとえば、36ヶ月のプロジェクトマネジメントの経験が必要であるなど、受験資格が必要なのです。また、一度合格したら永久に効果を発揮する資格ではなく、3年毎に更新が必要となります。
PMPについて詳しく知りたい方は、PMI日本支部の公式サイトをご参照ください。
プロジェクトマネージャ試験
情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験のなかに、PMOに適した資格があります。それがプロジェクトマネージャ試験であり、経済産業省によって認定された国家資格です。
試験の名前のとおり、PMを対象とした試験です。しかし、同様のプロジェクトマネジメントが求められるPMOに対しても有効な資格となります。
プロジェクトマネージャ試験は毎年4月に実施されており、平成31年の実績では合格率14.1%と高難度の試験です。しかし、難易度が高いからこそ、取得していることでPMOへの転職に有利に働くことでしょう。
プロジェクトマネジメントに関する幅広い知識・実践能力が求められる試験であり、この試験の学習を進めるだけでも多くの知識を身につけることが可能です。
日本企業ではIPAの情報処理技術者試験の合格者を評価している企業も多いため、ぜひ挑戦してほしい資格の一つです。
プロジェクトマネージャ試験について詳しく知りたい方は、IPAのプロジェクトマネージャ試験公式ページをご参照ください。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験もIPAが実施する情報処理技術者試験の一つです。
こちらも国家資格であり、プロジェクトマネージャ試験とは異なる視点で、専門知識・スキルを有することを証明する資格となります。
対象が分かりづらいかもしれませんので、IPAの公式ページから対象者像を引用します。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者
つまり、高度IT人材として専門分野を持ちつつ、プロジェクトを推進する人材を対象としています。
PMOとしても、企業の経営戦略に基づいた事業の改革・高度化・最適化は、プロジェクトを推進する上で欠かせない要素といえるでしょう。
また、近年需要の高まっているIoTの分野に関する知識も必要です。そのため、幅広い分野のIT知識が欠かせないPMOにとって、最適な資格の一つといえます。
ITストラテジスト試験も、令和元年実績での合格率は15.4%と高難度の試験ですが、挑戦してみてはいかがでしょうか。
ITストラテジスト試験について詳しく知りたい方は、IPAのITストラテジスト試験公式ページをご参照ください。
まとめ
PMOはプロジェクトを推進する役割を担う職種です。
PMの補佐役として幅広いIT知識とプロジェクトマネジメント能力が必要とされます。そのため、責任が重い仕事であり、平均年収は高い傾向にあります。
PMOにはIT関連スキルだけでなく、コミュニケーションスキルや文章・資料作成スキルなども必要です。転職の際に有利となる資格についても3つ紹介しましたので、資格勉強とあわせて知識・スキルを習得しましょう。
PMOは求人母数が多くないため、転職エージェントと転職サイトを併用することをおすすめします。
最後にPMOでおすすめの転職エージェントを再掲します。求職者は平均で2.33社の転職エージェントを利用していますので、2社くらい登録しておくと良いでしょう。
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