- きつい
- 帰れない
- 給料安い
上記の頭文字を取って「3K」と言われているSEですが、実際のところどうなんでしょう。
個人的には以下の認識です。
- きつい: 現場による
- 帰れない: たまにある(働き方改革や電通事件の影響でさらに減っていくと予測)
- 給料安い: 下請けのSIerはそうですね
2000年代に比べて、現在はシステム導入手法や労働者への配慮が高くなっているように感じます。
なので「SEは3K」と言ってしまうのは安易すぎるでしょう。
ただ、現場によっては「きつい、帰れない、給料安い」が依然として存在するのも事実です。
今回はそんな環境に身を置いて心身ともに壊れてしまった女性SEのお話です。
そのご本人から体験談を寄稿して頂きました。
SEを辞めて転職を考えている方、これからIT業界に就職する方の参考になれば幸いです。
フリーライター K・Sさん
【プロフィール】
フリーライターのK・Sです。
中堅IT会社にてSEをしていました。激務に追われ、心身ともに疲弊して4年前に退職しました。
転職活動をして、Web会社からディレクター職の内定をいただきましたが、どうしても決めきれず。
結果として、フリーライターという道を選択しました。
現在は、ビジネス系記事を中心に執筆活動を行っております。
どうぞ、よろしくお願いします。
目次
合わなかったSEの仕事
SEはプログラミングだけをしているイメージが強いですよね。
ただ、実際はそうではなくて、仕事内容は実に多様なんです。
現場やポジションによってやることが全然違います。プログラミングをガリガリやる人もいれば、資料作成ばかりな人もいます。
私が担当していた仕事は、とある金融会社の保守運用。
最も記憶に残っている最初の業務は、会員登録ページの更新でした。
普段ネットをあまり使わない方もストレスなく利用できるようにシステムを構築しました。
まずは外部設計書というシステムの大枠を決める設計書を作成します。その後、内部設計書で仕様を固めていきます。
私はシステム構築の一連の流れを理解するために設計書作成からプログラミング、テストまですべてを担当しました。
仕事をしていた時に感じたことは、とにかくつまらない……の一言です。
はっきり申しまして、私はSEに向いていなかったのです。
SEの基礎と言っても良いプログラミングに何の興味も持てずにいませんでした。
「だったら、なんでSEになったんだよ!」
と言われてしまいそうですね笑
簡単にまとめると、SEの仕事を理解し間違えていました。
私はコンサルのようなイメージを持っていたのです。
プログラミングはプログラマーの仕事、SEは仕様を考えるまで、と思っていました。
しかし、現実はそうではなくSEであったとしてもシステムのことを語れるようになるためプログラミングの勉強を強制されました。
これがキツかった。
やりたくないことを1日中やり続ける。
それがこんなにも苦痛なことなのかと初めて知りました。思わず笑みがこぼれるほどでした。
特に私の上司はやれるまでやらせる主義の強固な姿勢を持っている人でした。
課のなかで私だけ独りが残業して訳が分からないプログラミングと立ち向かっていることもありました。
そんな時期に、他の課の先輩が心配して声をかけてくださることがありました。
当時の私の顔は疲弊とストレスで曇っていたのでしょう。
今だから思うのですが、入社して1年、いや半年経った頃に退職しておくべきでした。
仕事が合っていないことにはとっくに気づいていましたから。
できない自分が悔しくて、情けなくて会社のトイレで泣いたこともあります。先輩に怒られるのが嫌で朝が来ることに恐怖を感じたこともあります。
苦しい……苦しい……。
そこから逃れるために退職すべきでした。
そのタイミングを逃してしまったことは今だから言える大きな後悔です。
心機一転いざ転職活動!Webディレクター職の内定をゲットするまで
自分の経験やスキルを整理
2年半SEとして勤務しましたが、これといった経験やスキルは培われませんでした。
正直、SEという仕事はITスキルが身に付きづらいのではないかと思います。
ただ、相手に伝わりやすい資料や物ごとを進める進行管理のスキルは身につくかと思います。
私の場合はクライアントに提出する資料作成を得意としていました。文章説明やグラフ作成といった「相手に伝わる」資料ですね。
そのように自分の出来ること、身についたことを整理しました。
転職エージェントにも登録
転職は早めに始めるのがベターです。
始めると言っても企業に面接に行ったりすることではありません。
情報収集と相談を始めるという意味です。
「辞めたい」「苦しい」という気持ちを抱えたまま仕事をしていると陰鬱になって、私のように取り返しのつかないところまでいってしまいます。
転職エージェントに相談したりして、次が見えてくると精神的にも楽になります。
なので、早めの相談・情報収集というのはとても大事だと思います。
私の場合、金銭的な余裕はあったのですが、なぜか焦る気持ちがあったという理由で転職エージェントを利用しました。
選んだのはIT業界に強いと聞いていたワークポートです。
良い転職エージェントだったと思います。
- 担当者がフレンドリーで話しやすかった
- コミュニケーションを円滑にとれた
- IT用語が通じる
他にもよかった点はありましたが、私が「よかったな」と思ったのが上の3点です。
どうしても担当者との相性という問題はあると思いますが、同じくワークポートを利用した友人も「担当者の質が高かった」と言っていました。
大手企業だけではなく、有望なベンチャー企業の紹介もしてくださるので幅広く転職先を考えている方にオススメです。
IT系で転職を考えている方は一度相談してみてください。
先ほども言ったように先が見えてくると気持ちが楽になりました。
【ワークポート】
- 特徴: 求人数が豊富、常時30,000件以上
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- 公式サイト: 転職決定人数No1の転職コンシェルジュ | WORKPORT
職務経歴書
大学在学中に人材コンサル会社に勤務していた経験があるため、受かる職務経歴書・面接対策のコツはなんとなく得ていました。
職務経歴書は簡潔に具体的数字で示します。とはいえ特に決定づけるのは面接での評価です。
私が行った面接対策を以下に記載しますね。
面接対策
私は、ジェスチャーを大きく、伝えるのではなく“伝わる”ことを意識しました。
外国人のプレゼンターを参考にして表情を豊かにします。
今ならYouTubeでそのような動画がたくさんUPされています。プレゼンの勉強や知識をインプットするのも容易な時代になりましたね。
「面接対策」や「プレゼンテーション」などで検索すると色々出てくるかと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
希望する企業へ応募
田舎に住みたかったという理由もあり、今度は地元で働ける職場を探しました。
自分のスキルや経験が未熟だということは重々承知していたため、業界・業種問いませんでした。
業界問わず数社へ応募することにしました。
内定ゲット・内定をもらえた理由
数社の企業に応募したのですが、結局内定をゲットしたのがWeb会社のディレクター職でした。
SEとしてのスキルや経験を評価していただいたようです。
他にも地元に貢献しているボランティア活動をしていたため、活発だと思ったとのご意見をいただきました。
実際はうつ病中で疲弊していたのですがね……。
1時間という限られた時間だと見抜けないようです 笑
私の場合は例外としても、仕事以外のことで話を広げるという方法もあります。特に選考が進んでいった段階だと人柄で最終的に決定することも多いです。
既に働いている方との相性なども重要ですからね。
自分のためにも、就職する企業のためにも、自分のカラーは偽りなく示しましょう。
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考えに考えた結果フリーライターになることを決意
Webディレクター職の内定を頂きましたが、考えに考えた結果、フリーライターになることを選びました。
理由は「会社という組織に馴染めない可能性があること」「自分のペースで働きたい」という想いがあったからですね。
あとは、自信がすっかりなくなっていたので、学生の頃褒められた文章力を活かしたいと思ったのも理由ですね。
仕事を辞めるに至った理由
上で書いた通り、「仕事内容が合わない」「苦しい毎日だった」というのが退職の主な理由です。
その他にもが辞めるに至った理由がいくつかありますので、ここではその理由をお伝えしたいと思います。
- プログラミングに興味を持てなかった
- 長時間労働に耐えられる精神状況ではなかった
- 憧れられる女性の先輩がいなかった
- 会社という組織に上手く馴染めなかった
- 田舎に住みたかった
箇条書きにすると上記の5つになりました。
プログラミングに興味を持てなかった
これが致命的でした。
私は経済学部で学んでいたため、プログラミング経験はゼロ。
とあるIT会社のインターンシップにて10日間のシステム開発を行ったことがありますが、今思えば子どもの遊び程度で、実案件とは程遠いものでした。
そのため、プログラミングというものの理解が浅く、このような結果になってしまいました。
「頑張ればできるだろう!」
そんな考えは甘く、厳しい現実に打ちのめされます。
SEを目指す方にお勧めするのは、簡単なシステム構築の経験をしておくということです。
思ったのと違った……ということは就職においてよくあることとは思いますが、そのミスマッチをなるべく減らすことが平穏な日々につながると思います。
長時間労働に耐えられる精神状況ではなかった
少し暗い話になってしまいますが、私はうつ病を患いました。
からだの異変は入社してすぐに現れました。
睡眠が浅く、気分が落ち込み続ける日々。
しかし、それでも耐え続けるしか頭に思い浮かびませんでした。
視野が極端に狭くなっていたのでしょう。
心の底から後悔しています。
そして、入社して1年半がたった頃、とうとう会社に行くことができなくなってしまいました。やっと訪れた心療内科ではうつ病と診断され、休業期間を設けます。
その後、一度は復職しましたが、メンタル不調で休んでいたことを知っている同僚から注がれる視線から耐えられず、退職する道を選びます。
SEは長時間労働になりがちですが、心身ともに健康であることが必須になってくると思います。
憧れられる女性の先輩がいなかった
入社して愕然としたことに憧れられる女性の先輩がいなかったことが挙げられます。
キャリアプランを考える上で理想の先輩の姿は必要です。
3年後、5年後にこういう先輩になっていたいと思う先輩が見当たらないため、この会社で頑張っていく意味を見出せずにいました。
とりわけIT会社は男性社会です。
女性SEであれば特に先輩の存在を強く意識したほうが良いと思います。
この人に認められるために努力するというモチベーションもありますよね。
会社という組織に上手く馴染めなかった
単純に私の適応能力の低さも社会人になって露呈しました。
学生の頃にはあまり気にならなかったのですが、いわゆる“気遣い”をすることに強いストレスを感じてしまうのです。
本当に自分でも社会不適合者であると思います。
会社の業務だけならまだしも、同僚との飲み会なんてあると、心がズドンと落ち込んでしまいます。
今から思うと、常にうつ状態にあったのかと思いますが、とにかく会社という組織に馴染めなかったことは現在のフリーライターを歩むきっかけとなります。
田舎に住みたかった
勤務地からなるべく近いところに住んだ方が楽なのではないかと考え、徒歩3分ほどのオフィス街に居を構えたこともありました。
すると、心休まる時はなく、より強く負荷を感じることになります。
田舎で生まれて育った私にとって穏やかでのどかな環境は必要不可欠だったようです。
現在もうつ病闘病中なのですが、田舎の一軒家でゆっくり過ごしています。
これがIT会社勤務となると片道1時間半ほどかけて通勤することになります。
IT会社は、どうしても都市部に集中します。
それを逃れるためには、たしかな技術を身につけてリモートで勤務できるようになるしかないでしょう。
【ワークポート】
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参考:私の辞め方
「辞め方が分からない」という方もいらっしゃいますよね。
ここでは、参考程度になりますが私が辞めた方法をご紹介します。
私の場合は上司に相談して辞めました。
10月のタイミングで上司から異動を告げられていたため、その3日後あたりに相談しました。
ただ相談といっても、私の辞めるという意思は固く、上司から引き留められることもなかったため、報告のようなかたちです。
既にメンタル不調を理由に休業していたことが大きかったと思います。限界であることは十分に伝わっていたのでしょう。
ただ、中には「退職を止められている」「君がいないと困る」など理由をつけられて辞められなくて困っているという方もいらっしゃいますよね。
そんな方は、現在ちょっとずつ流行りだしている退職代行サービスというものがあります。
ちょっと前にビジネスメディアで取り上げられて、ビジネスマンを中心に認知が拡大したサービスです。
成果報酬なので退職できなかったら返金されるシステムが良いです。
辞められなくて困っている方は相談してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
全体的に暗い内容になってしまいましたが、それほど私にとってSEとして働いた2年半は苦しいものでした。
とにかく業務内容の不一致が大きな理由ですね。
もし、SEが合わないと感じている人がいるのならば、一度休業してみたらいかがでしょうか?金銭的な理由から休業なんてできないという人なら転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか?
私は苦しみ、苦しみ抜いた結果、うつ病になりました。
退職してから4年が経ちますが、今だに治らず、薬を服用しています。
心身共に不調ですが、懸命に生きています。
あなたがそうならないためにも、合わないと思ったら早めの転職をお勧めします。
職業はいくらでもあります。
ボロボロの私でもWeb会社のディレクター職の内定をいただけました。
私がやったことは以下の2つだけです。
- 退職を告げた
- 転職活動をした
思い返すとそれだけのことなんですけど、行動を起こすまでは難しいことなんですよね。
ただ、一歩だけでも前進すると世界が変わって見えます。
今の仕事が合わないと思っている人、転職したいとモヤモヤしている人は、ここが踏ん張りどころだと思って、ぜひ行動して欲しいです。
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