フリーランスになると切っても切れない関係になるのが「確定申告」です。
その際に税金が決まる大きな要素の1つに「経費」があります。例えば自分のスキルアップのためにプログラミングスクールに通いたい場合、スクール代金は経費になるのでしょうか?
- プログラミングスクール代金が経費になるか否か
- 他にどのような費用が経費になるのか
フリーランス1年目の人が抱きがちな経費について疑問を解消していきましょう。
これから起業を考えている方も今後の参考にご覧ください。
目次
プログラミングスクール代は経費にできる
結論から言うとプログラミングスクール代は経費にできます。
ただし、何でも経費にできるわけではありません。「プログラミングスクールに通うことが仕事に必要であること」という条件をクリアする必要があります。
フリーランスに限らず法人でも同様です。業務上の必要性が条件になります。
単なる趣味で仕事に関係ないスクールに通う場合は経費としては認められません。
プログラミングスクール代が業務で必要になるシチュエーション
すでに業務でシステム開発をしていなくても経費にすることが可能です。
- これからシステム開発を事業にする予定
- WordPressでメディアを作る予定
「開発事業を始める予定である」→「そのためにはプログラミングスキルが必要だ」という感じですね。
行う予定の事業に対しては当然経費が発生します。飲食店が原材料を仕入れるのと同様にプログラミングスクール代は経費にできます。
プログラミングスクール代の勘定科目
プログラミングスクールに通う目的は、「業務を遂行するスキルを身につけるため」でしょう。
このような費用は「研修費」として計上ができます。
経費利用でおすすめのプログラミングスクール
現在は「転職に強い!」を売りにしているプログラミングスクールが人気です。
ただ、経費でスクールに通おうと思っている人にはマッチしないですよね。
ここでは、経費利用でおすすめのプログラミングスクールを紹介します。
侍エンジニア塾
完全オンライン、マンツーマンレッスンのプログラミングスクールです。
固定したカリキュラムがないのが特徴のスクールです。ご自身の学習目的をアドバイザーがヒアリングして、オーダーメイドのカリキュラムを組んでくれます。
例えばオリジナルアプリを開発したい場合はその学習支援と開発支援を行なってくれます。
知識・スキルが弱い箇所の穴埋めにも最適です。「HTMLはある程度わかっている」「でもバックエンド系の言語は弱いから学習したい」というときはバックエンド系の言語を重点的に学習することが可能です。
オーダーメイドの良いところと言えるでしょう。
質問は「週1のレッスン」または「レッスンが無いときはチャット」で行います。疑問や質問が即解決できないのがデメリットと言えます。
とはいえ「これが解消しないと進めない」という状況はほとんどありません。「質問をしたら他のことをする」という進め方で十分やっていけますよ。
【侍エンジニア塾】
- 形式: オンライン
- 料金: 184,800円〜
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※ 侍エンジニア塾の公式サイトに遷移します。
TECH CAMP プログラミング教養
テックキャンプは月額21,780円(入会金217,800円)で全カリキュラム学び放題のプログラミングスクールです。
オンライン・通学の両方に対応しています。
オンラインでも教室でも講師が待機していますので疑問・エラーの即解決が可能です。
カリキュラムはWebサービス開発、AI入門、Webデザインの3つがあります。世の中で需要・人気のある言語を抑えたカリキュラム。これからIT業界に進みたいと考えている人にはピッタリですね。
初心者でもスラスラ進められる教材に定評があり、5000回以上のブラッシュアップを重ねて作られた教材です。現在もアップデートしてよりクオリティの高い教材を目指しています。
オンラインでも教室でも講師が待機していますので疑問・エラーの即解決が可能です。学習を進めやすいプログラミングスクールです。
\ 料金詳細や無料体験の予約はコチラ /
公式サイトへ
※ Tech Campの公式サイトに遷移します。
その他のプログラミングスクールを検討したい人は
プログラミングスクール比較サイト「PS-One」ではプログラミングスクールを比較形式で紹介しています。
プログラミングスクールのことをもっと知りたい人は以下のページもご覧ください。
総合的におすすめなスクールを知りたい
プログラミングスクールおすすめ5選|徹底比較した全11校から厳選
オンラインでおすすめのスクールを知りたい
短期でおすすめのスクールを知りたい
これなら完走できる!短期集中コースがあるプログラミングスクール7選
そもそも「経費」とは何か?
経費とは、「事業を運営するうえで発生した費用」のことです。
フリーランスは自分で所得を計算して納税する「確定申告」を行います。確定申告では年間の総収入を計算し、そこから必要経費や控除を差し引くことで所得を計算します。
所得に応じて納税額が変わるため、経費を把握しておかないことには正しい確定申告ができません。
フリーランスエンジニアが経費にできるもの
フリーランスのエンジニアが経費計上できるのは、プログラミングスクールの代金だけではありません。
ここでは、経費にできる代表的な費用と勘定科目を紹介します。
水道光熱費
電気代やガス代、水道代などの光熱費のことです。また、暖房のための燃料も水道光熱費として計上できます。
なお、経費にできるのは事務所を構えている場合だけとは限りません。自宅兼事務所の場合は水道光熱費を「家事按分」によって費用全体の一部を経費にすることが可能です。
地代家賃
事務所兼用として自宅を使う場合、家賃の一部を経費にできます(家事按分)。仕事でクルマ 自転車を利用するなら、駐車場の料金も対象です。
オフィスを借りている場合は、その賃貸料や月極駐車場代、レンタルスペースなども経費に含まれます。
消耗品費
10万円未満の品で、使用可能な期間が1年未満(減価償却できないもの)の物が対象の勘定項目です。文房具や名刺などが該当します。
仕事に関するものは全て経費になると考えて良いでしょう。
10万円未満であれば机、椅子、パソコンなど大型かつ高額な商品も対象です。
旅費交通費
情報収集や打ち合わせなどで電車・バス・タクシーを利用する際の交通費は経費になります。
事業に関係する内容で旅行をするのであれば、宿泊費も含まれます。
電車やバス、公共交通機関の場合はレシートや領収書が発行されないことが一般的ですが、その場合は「出金伝票」を自身で発行して保管する必要があります。
事務用品費
消耗品のうち、文房具については事務用品費として計上することもできます。どちらで計上しても経費上は問題ありませんが、決めたら変えないことが大切です。
事務用品は購入点数が多くなりがちであり、ほかの消耗品と区別して管理するほうが経費の確認がしやすいメリットもあります。
通信費
パソコンのインターネット代金や電話代、切手などを通信費として経費にできます。宅配分の発送料も対象です。
スマートフォンも対象ですが、事業と個人の使用割合を按分で決めておく必要があります。
外注工費
事業で必要なものでも、自分自身で作ることができないものがあるはずです。そのような外注をしたときにかかった費用は「外注工費」として経費になります。
ただし、外注するものがデザイン・原稿などの場合は「源泉徴収」の対象です。
源泉徴収とは発注者が所得税などを外注先から徴収し、確定申告よりも早く税務署に納めることです。なにを外注すると源泉徴収が必要なのか事前に確認しましょう。
新聞図書費
業務上の情報収集をするために必要な雑誌や書籍は「新聞図書費」として経費計上可能です。
直接購入しない形式の「図書カード」「有料情報サイトの使用料」、web上のいわゆる「メールマガジン」の購読料もこちらに含まれます。
当然のことながら、事業に関係ないマンガなどの購入費用は経費になりません。
租税公課
自動車税や固定資産税、印紙税などは租税公課として経費になります。
ただし、個人に対してかかってくる税金(所得税・住民税)は経費にはなりません。
広告宣伝費
サーバーレンタル代金やドメインの使用料など、自作のホームページの運営費は広告宣伝費として経費になります。
顧客への年賀状や暑中見舞いも、宣伝の意味合いがあることからこちらに含みます。
接待費・交際費
クライアントとの打ち合わせやお茶代、会議を兼ねた食費なども経費として計上できます。これが「接待費・交際費」です。
減価償却費
10万円以上のカメラやパソコン関連機器、パソコンを使うデスクなどは固定資産扱いであり、定められた耐用年数に合わせて減価償却を行います。
冠婚葬祭費
冠婚葬祭費も経費になる点は見落としがちです。
取引先や協力会社で発生した冠婚葬祭に祝儀や香典などを出したケースであれば、冠婚葬祭費として計上できます。
ただし、単なる友人の冠婚葬祭では経費にはなりません。送る相手と自分の事業に関係性があることが求められます。
支払手数料
働き手(ワーカー)と依頼主(クライアント)をマッチングさせる「クラウドソーシングサービス」を利用する場合、仲介手数料として20%前後を差し引かれます。また、報酬が口座に振り込まれる際は100~500円の銀行振込手数料がかかるのが一般的です。
このような費用は「支払手数料」として経費の対象です。
フリーランスエンジニアが経費に計上できないもの
フリーランスはさまざまな費用を経費として計上できますが、かといって全てが経費になることはありません。
以下のような費用は経費としては計上できないのが原則です。
- プライベートの支出
- 納税額
- 控除対象になるもの
プライベートの支出
自分の趣味の費用や家族にとって必要なものの購入費用、友人との食事代などのプライベートな支出は経費にはなりません。
仕事の打ち合わせやクライアントと飲食をするのは経費計上でき、友人や家族との飲食代は経費にはできないと覚えておきましょう。
子どもを保育園に預ける際の「保育料」も、フリーランスエンジニアの費用とは無関係のため経費には計上できません。線引きはあくまで「仕事として使ったお金か」がポイントです。
一方で家賃や水道光熱費は「家事按分」として、仕事で使った分だけ経費にできます。
納税額
所得税・住民税は、フリーランスエンジニアの仕事で発生する支出・費用ではありません。したがって経費計上はできません。
控除対象となるもの
国民健康保険料や国民年金保険料は「社会保険料控除」の対象です。
また、民間の生命保険や個人年金保険は「生命保険料控除」の対象になるほか、後述するiDeCoや小規模企業共済は「小規模企業共済等掛金控除」を受けることができます。
このような控除になる費用は経費としては差し引くことができません。
経費だけではない!節税のための仕組みを活用しよう
個人型確定拠出年金(iDeCo)
定期預金・保険・投資信託の中から好きな金融商品を選び、毎月一定の掛け金を積み立てて60歳以降に受け取れる、いわゆる「じぶん年金」が確定拠出年金(iDeCo・イデコ)です。
積み立てたお金の全額が「所得控除」になるメリットがあります。
節税できる金額は所得税の税率によって異なります。日本の所得税は所得の金額によって5~45%に分かれますが、それによって同じ掛け金でも節税できる金額が異なります。
例えば課税所得330万円超~695万円以下では所得税は20%、住民税は一律10%です。
年間掛け金が14万4,000円(月1万2,000円)の場合、所得税が2万8,800円(14万4,000円×20%)、住民税は1万4,400円(14万4,000円×10%)で、合計4万3,200円の節税になります。
そのほか、投資の運用益が全額非課税で再投資になるほか、60歳以降に受け取る時の税額計算でも優遇されます。
小規模企業共済
個人事業主向けの退職金共済制度です。「企業」という名前ですが、個人事業主でも加入できます。
自分の退職金を積み立てておくことで、退職金がない個人事業主にとって退職後のセーフティーネットとして機能します。
メリットの1つは掛け金の自由さです。月1,000円から70,000円まで500円刻みで自由に設定が可能です。
iDeCoよりも少額から積み立てることが可能であり、全額が控除対象になります。
掛け金もあとから変更できるため、「とりあえず1,000円から始める」という姿勢で始めてみて良いでしょう。
ふるさと納税
TVやインターネットで有名になった納税方法が「ふるさと納税」です。
「ふるさと」とはついていますが、出身地でなければ納税できないわけではありません。自分が好きな自治体に寄附することで、一定額を超えた分の所得税・住民税が安くなります。
寄附した合計額から2,000円を差し引いた金額が、翌年納める住民税と所得税の還付という形で受け取れます。
加えて、地域の特産品を返礼品としてもらえる点もメリットです。
経費にできるもの・できないものリスト
上で紹介した勘定科目やそのほかの代表的なものを「経費にできるもの」「経費にできないもの」としてリスト化しました。
こうしてみると、幅広い出費が経費になることが分かります。
内容 | 経費になるか | 勘定科目 |
自宅兼事務所のガス代・電気代・水道代 | 〇 | 水道光熱費 |
クライアントへの宅急便代 | 〇 | 荷造運賃 |
仕事先への交通費 | 〇 | 旅費交通費 |
仕事に使う携帯電話代 | 〇 | 通信費 |
ホームページのサーバー代・ドメイン料金 | 〇 | 通信費 |
取引きサイトの食事 | 〇 | 接待交際費 |
同業者・クライアントとの旅行 | 〇 | 接待交際費 |
所得税・住民税 | × | – |
1人での食事代 | × | – |
取引先の冠婚葬祭 | 〇 | 冠婚葬祭費 |
クラウドソーシングの手数料 | 〇 | 支払手数料 |
メールマガジンの月額購読料 | 〇 | 新聞図書費 |
フリーランスエンジニアの確定申告
1.1月1日から12月31日までの所得を計算
所得は売上から経費を引くことで計算します。この計算を行う紙が「決算書」です。
算出された所得は「事業所得」として決算書に記入することになります。
2.納めるべき税金を計算
決算書で求めた所得から、納税額を計算していきます。この書類が「確定申告書」です。
所得から基礎控除、配偶者控除などの「所得控除」を差し引いたうえで、税率をかけて計算した結果がその年の納税額です。
3.「決算書」と「確定申告書」を提出して納税
作成した決算書、確定申告書を税務署に提出します。
この時、領収書や請求書を提出する必要はありません。自分自身で7年間保管します。ただし、所得控除を証明する書類があれば一緒に提出することが必要です。
税務署への提出方法は以下の3つで、自分でいずれかを選択します。
- 税務署へ持参
- 郵送
- 電子申告
申告時期は混雑するため、税務署に持参する以外の方法がおすすめです。郵送であれば「控え」と「切手を貼った返信用封筒」を入れることで、収受印が押された控えが返送されます。
申告とあわせて納税も忘れずに
申告ができたら、所得税の納税も忘れずに行います。
納税期間は申告期間と同じ2/16~3/15です。
納付書に税額を記入し、金融機関や税務署で支払いを行います。申告より前に納税しても問題はありません。
費用計上できるものは必ず領収書・レシートを保管しておこう
プログラミングスクールの代金を始め、仕事として必要なことであればさまざまなものが経費になります。ここで大切になるのは、経費の証拠になるレシート・領収書を7年間は保管するということです。
確定申告は出したら終わりではなく、数年後に答え合わせとして税務署の職員による訪問を受けることがあります。その時にしっかりと「経費として計上しました」と証明できるように、決められた年数は保管しておくことが大切です。
それでは、この記事の最後にもう一度ポイントをおさらいします。
- プログラミングスクールの代金は「研修費」として経費にできる
- その他にも仕事に関係する費用の多くが経費になる
- ただし「所得税・住民税」「プライベートな出費」は経費にならない
- ふるさと納税やiDeCoなど経費以外の節税方法も理解する
- 2/16~3/15に自身で確定申告を行う必要がある