PSOneは2021年3月9日〜22日にかけて「小学生のプログラミング教育に対する意識調査」を行いました。
調査に利用した設問16件のうち、今回は前半8問の結果を掲載します。
調査概要
- 調査方法: インターネット上で選択式アンケートを実施
- 調査対象: 小学生の保護者様(男女両方)
- 回答人数: 355人
- 実施期間: 2021年3月9日〜22日
【調査結果まとめ】355人の回答傾向からわかったこと
■ 主要な設問と結果
・ 小学校でプログラミング教育が実施されていることを知っている?
よく知っている: 36.3% なんとなく知っている気がする: 59.2% まったく知らない: 4.5% (n = 355人)
・ 小学校でのプログラミング教育の必修化についてどう思う?
賛成:42.0% どちらかといえば賛成: 47.6% どちらかといえば反対:3.9% 反対: 0.3% どちらでもない/わからない: 6.2%(n = 355人)
・ 小学校にプログラミング教育に期待すること
学校や勉強全般に対しての意識向上: 26.2% 論理的思考や創造性の向上: 22.5% プログラムコードを書く前の基礎力を身につけること: 18.9% パソコン操作に慣れること: 17.2% ITへの興味・関心の向上: 12.4% ネットやSMSを使う上でのマナーの獲得:2.3% 将来の選択肢が広がる:0.6% (n = 355人)
・ 小学校でのプログラミング教育で不安に思う・気になることは?
授業内容に差が出そう: 160人 ITに精通した人材の確保:150人 自分自身がプログラミングをよくわかっていない:138人 環境や設備(パソコンなど)の充実度:104人 子供がついていけるかどうか:100人 (n = 355人)
回答の傾向からわかったこと
小学校でプログラミングの授業が必修化されたことについて「良く知っている」「何となく知っている気がする」を回答された保護者は、全体の95.5%のぼりました。
またプログラミング学習について89.6%の人が「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答しており、プログラミングの必修化は多くのご家庭で好意的に受け止められていることもわかりました。
ただし、お子様に身につけてほしい技能は、必ずしもプログラミングスキルではないことも分かりました。
小学校のプログラミングに期待することを聞いた質問の回答としては「学校や勉強全般に対しての意欲向上」がもっとも多く、次いで「論理的思考や創造性の意欲向上」と続いています。
高校までに学んでほしいことも「ネット上での個人情報の取り扱い」「ネットで犯罪に巻き込まれないためには」という回答が上位を占めています。
プログラミングスキルよりも学習意欲やITリテラシーの向上を期待している結果となりました。
プログラミング必修化に賛成と答えた保護者でも「将来ITエンジニアになってほしい」という意見は8.2%のみ。プログラミング能力よりも「健全にインターネットを使えるようになってほしい」という想いのご家庭が大半のようです。
小学生の保護者様にアンケート!プログラミング教育に対する意識調査の結果
調査に利用した16設問のうち、前半8問の結果を掲載します。
95.5%の保護者が小学校でのプログラミング教育必修を把握している
2020年にはプログラミングが必修化されており、小学校では既存の授業に組み込む形での教育をしています。
プログラミングの必修化について知っているか小学生の保護者にアンケートしたところ、「よく知っている」「なんとなく知っている気がする」を合わせると全体の90%を超える結果になりました。
プログラミング教育が追加されたことはご家庭で把握されていることが分かります。
ただし「よく知っている」の割合は全体の36.3%にとどまっています。大半のご家庭では「なんとなく知っている程度」のようですね。
必修化は好意的!「賛成」「どちらかといえば賛成」で89.6%
すでに必修化されて小学校で授業が開始されているプログラミングについて賛成か反対かを尋ねたところ、「賛成」が42.0%、「どちらかといえば賛成」が47.6%と、約9割の保護者が好意的に捉えていることが分かりました。
プログラミングは「今後の社会で必要不可欠だ」と感じている
前問で「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人を対象に、なぜ賛成と思うのかの理由を教えてもらいました。
結果として、もっとも多かったのは「今後の社会で必要不可欠な知識だと思う」という理由(62.8%)でした。
子どもが成人になる時には、プログラミング技能が何らかプラスの影響を与えると考えているご家庭が多いようです。
ただし「パソコンに興味を持ってほしい」が45.9%である一方で「将来ITエンジニアになってほしい」という意見が8.2%にとどまっています。
決して高度な技術力を期待していないことも分かります。
反対意見は「ほかに勉強することがある」「教育意図が不明」
小学校でのプログラミング必修化に「反対」「どちらかといえば反対」と回答した人を対象に、なぜ反対と思うのかの理由を教えてもらいました。
「それよりも他科目もしっかり勉強させたい」
「学校で行う意図が不明確」
上記の2つがトップになりました。
いずれも「プログラミングは学校で学ばせることではない」と感じている点が共通しています。
学校での勉強時間は限られています。プログラミング教育が加わっても基本科目もしっかり勉強できることを説明した方がよさそうですね。
プログラミング教育の中身は「まったく知らない」が38.9%も
お子様が学習しているプログラミング学習の内容を知っているか調査しました。
その結果、「なんとなく知っている気がする」と「全く知らない」を合わせると92.4%という結果になりました。小学校のプログラミングについて、学習内容の詳細まで把握しているのは少数にとどまる結果となりました。
プログラミング教育をきっかけに「勉強全般の意欲向上」を期待
小学校で必修化されたプログラミングについて、何を期待するのかを教えてもらいました。
その結果、26.2%が「学校や勉強全般に対しての意欲向上」、次いで22.5%が「論理的思考や創造性の意欲向上」という結果でした。
単にプログラミングを学ぶのではなく、勉強を意欲的に行うきっかけになってほしいと感じているご家庭が多いようです。
また「将来の選択肢が広がる」と答えた人は0.6%に留まっているのも特徴といえます。プログラミング教育で子どもの将来性が広がるとは思っていないようですね。
授業レベルに差が出ることを懸念する声も
小学校のプログラミングで不安に思うことを調査したところ、「授業内容に差が出そう」「ITに精通した人材の確保」が高い比率になりました。
「自分自身(親)がプログラミングをよくわかっていない」も上位を占めており、学校側の方針・スキルに関する不安が上位を独占しています。
現状では授業内容が各校の方針に一任されており、学校ごとに差が出る可能性があります。プログラミング必修を続けるうえで、学校側の大きな課題といえるかもしれませんね。
ITリテラシー向上やネット・SNSでのマナーを教育に入れて欲しい
高校までのプログラミング教育に盛り込んでほしい内容を調査したところ、「ネット上での個人情報の取り扱い」「ネットで犯罪に巻き込まれないためには」というプログラミングよりITリテラシーの向上に期待する声が多くあがりました。
プログラミングそのものよりも子どもが健全にパソコンを使える知識を身につけてほしいと感じているご家庭が多いようですね。
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