転職をするときの手段の1つに『転職エージェント』があります。
存在は知ってるけど、何をしてくれてどんなサービスがあるのかイマイチ理解できてない人も多いのではないでしょうか。
希望しない企業を無理に進めてくることはないのか、そもそも無料なのか、知りたいことは多いはずです。
そこで、転職エージェントを利用するメリットやデメリットについて、詳しくお話しします。
これから転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
転職エージェントとは
転職エージェントは職業紹介サービスです。
転職エージェントに登録するとキャリアコンサルタントが担当に付き、転職先の紹介や転職相談、企業との交渉までサポートしてくれます。
一部有料サービスのエージェントもありますが、ほとんどが無料です。
一般的には、転職が成立したら転職先の企業から報酬を得るビジネスモデルなので、利用者である転職希望者は無料で利用できます。
【初めての人向けの転職エージェント】
- リクルートエージェント ※業界最大手の転職エージェント
- パソナキャリア ※丁寧な対応、女性の就労支援に力を入れている
転職エージェントは総合型と専門型がある
ひとくちに「転職エージェント」といっても、エージェントごとに取り扱う企業のジャンルや得意・不得意は違います。
大きく分けると「総合型」「専門型」に分かれます。
総合型の転職エージェント
総合型の転職エージェントは幅広い業界を浅く・広く網羅した転職エージェントのことです。
- 対応している業界が多く、求人数が多い
- 異業種への転職にも向いている
- 大手らしく転職エージェントの質が高い
などのメリットがあります。
代表的な転職エージェントはリクルートエージェントです。非公開求人だけで10万件以上と、圧倒的な求人を抱えています。
専門型の転職エージェント
専門型は、文字通り1つの業界・職種に特化した転職エージェントのことです。
総合型が大学だとすれば、特化型は専門学校といった感じですね。
- エージェントが業界に精通している
- 現場のリアルな情報が手に入りやすい
- エージェントと企業の関係が深い
このようなメリットがあります。
業界を絞っている分だけ求人数は総合型より少ないものの、その分だけ濃い情報が手に入るのがメリットですね。
特化型としてはIT経験者向けの案件に特化したレバテックキャリアなどがあります。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントを利用するとどのようなメリットを得られるのでしょうか。
そのメリットを、一つ一つ見ていきましょう。
Web・紙媒体で非公開の求人が選択肢に加わる
転職エージェントには、豊富な非公開求人が登録されています。
非公開求人とは、一般には公開されておらず、その転職エージェントに登録しなければ紹介してもらえない求人のことです。
企業が求人を非公開にするのは、求職者とのマッチング精度を高めるためです。
有名な企業では求人を公開すると、1つの求人に数百の応募がくることになり、採用効率が悪くなります。企業の案件にマッチしない人材も多く、人事が対応しきれないかもしれません。
非公開求人にすることで募集要件にマッチする人材だけ紹介してもらえるので、人件費を抑えながら適切な人材だけと面接できるようになります。
採用予算が限られた中小企業からすれば、成果報酬制であることもメリットです。
転職エージェントには非公開求人が多数登録されていますから、条件の良い求人に出会えるチャンスが高いでしょう。
転職相談できる
転職エージェントを利用する最も大きなメリットが、頼りになるキャリアコンサルタントがいるということです。
転職する際には、自分に合った企業はどこか、面接でどう対応すれば良いのか、企業と年収交渉をどうやれば良いかなど、悩みが多いはずです。
そんな時は、豊富な転職ノウハウを持っているキャリアコンサルタントに、転職相談をすることができます。
自分に合った企業を探してくれたり、面接官に好印象を与える面接対応の方法や年収交渉のテクニックなどを教えてくれたりと、とても頼りになります。
1人で転職活動をしていては決して得られない、転職のプロからのアドバイスを得られるのは非常に大きなメリットです。
企業に推薦状を書いてくれる
転職エージェントを利用することで、推薦状を書いてくれるメリットが生まれます。
転職サイトでは履歴書・職務経歴書の経歴だけで足切りされることも珍しくありません。
逆にエージェントによる推薦状にスキルや人柄まで「お墨付き」と書いてあることで、書類選考の通過率が上がるわけです。
模擬面接の実施・職務経歴書の添削をしてくれる
転職エージェントでは、面接対応の実践的な方法を教えてくれる模擬面接、職務経歴書などの書類添削サービスが受けられます。
模擬面接では、面接官に好印象を与える方法や、どうすれば自分のことを最大限にアピールできるのかなどを、実践的に教えてもらえます。
経歴書添削では、履歴書や職務経歴書などを転職のプロに添削してもらうことで、書類選考の通過率をアップさせます。
面接が苦手、書類審査でいつも落ちてしまうなどという人におすすめです。
入社時期・年収を代理で交渉してくれる
転職エージェントには、面接日程や転職後の入社時期、年収、待遇などの条件について企業と担当者が代理交渉してくれるサービスもあります。
1人で転職活動をすると、上記のような企業との交渉を全て自分で行わなければなりません。
仕事が忙しい人や企業との交渉力に自信がない人にとっては、企業との交渉事が転職活動の大きなハードルになることもあるでしょう。
転職エージェントを利用すれば、企業との交渉事をスムーズに進めることができます。
ただし、最終的に企業とお話をするのはご自身です。『交渉が上手く進むようにサポートしてくれる』という認識に留めておきましょう。
転職エージェントのデメリット
転職エージェントには多くのメリットがありましたが、デメリットもあります。
メリットだけでなくデメリットも正しく把握することで、転職エージェントを上手に利用することができるでしょう。
担当者との相性が悪い、担当者の質が悪いなどの場合もある
転職エージェントに登録すると必ず担当者が付きますが、この担当者と転職の方針や考え方が合わないと転職が上手くいかない可能性が高くなります。
担当者のスキルが低く話がまとまらない、担当者が忙しすぎて十分なサポートを受けられないというケースもあります。
その場合は、すぐに担当者を変えてもらうか、他の転職エージェントを探した方が良いでしょう。
また、複数の転職エージェントに登録して担当者の質やサービスの内容を比較し、自分に合った担当者を探すことをおすすめします。
担当者から頻繁に連絡が来ることがある
転職エージェントを利用すると、担当者から求人を紹介する電話やメールが頻繁に届くようになります。
この電話やメールの頻度が高すぎると、かえってやりづらい、うっとうしいと感じる人もいます。
この場合は、担当者と連絡頻度や連絡時間を決めておくと良いでしょう。
専門型の転職エージェントはサポートをお断りすることがある
専門型の転職エージェントの場合、利用者のスキル次第でサポートしてくれないこともあります。
専門性の高い求人が多い転職エージェントは企業からの要求もハイレベルになるからですね。
登録時点でスキルが見合っていない場合はサポートを期待できません。
特定の業界の経験が浅い人は、「未経験歓迎」の求人が揃っている総合型をメインにすると良いでしょうね。
エージェント担当者が合わない/不快を感じた時の対処
始めるときから2社以上に登録しておく
エージェントと合わないリスクを防ぐために、転職活動を開始するときから2社以上のエージェントに登録しましょう。
似たようなサービスのエージェントでも、担当者の質や利用者との相性は全く違いますからね。
とりあえず2社以上に登録しておいて、もっとも相性が良さそうな担当者がいるエージェントをメインで使う感じです。
サービス利用の終了を申し出る
最後の手段として、サービスの終了を申し出ることも検討しましょう。
ほかの転職エージェントを利用することで、今までよりもかえってスムーズに転職活動ができることもあります。
転職エージェントは無料で利用できますし、複数利用することもデメリットにはなりません。
担当者の変更を申し出る
担当者とどうしても合わないなら、別の担当者に変更してもらうことは問題なくできます。特別なことでもないので、変更したからと言って利用者にペナルティはありません。
直接変更を申し出るのに気が引けるなら、電話やメールで担当変更を受け付ける部署に連絡することもできます。
転職エージェントと転職サイトの違い
転職エージェントの他に転職サイトがありますが、この二つは何が違うのでしょうか?
ここでは、転職エージェントと転職サイトの違いを、いくつかの観点で比較してみましょう。
転職エージェント | 転職サイト | |
気軽に利用できるか | 担当からの紹介を待つことになる | 自分で求人を検索するので気軽 |
アドバイスが受けられるか | 担当からアドバイスを受けられる | アドバイスをくれる人はいない |
サポートが充実しているか | 履歴書の添削などのサポートあり | 転職サポートはない |
求人は多いか | 非公開求人がある | 規模によって求人数は変わる |
転職成功率は高いか | サポートがある分だけ成功しやすい | 本人のスキル次第 |
未経験で転職できるか | 転職サイトと併用がおすすめ | 転職エージェントと併用がおすすめ |
転職サイトの方が気軽に利用できる
気軽に利用できるのは転職サイトです。
転職エージェントでは、担当者と面談して過去の経歴や転職条件などのヒアリングを受け、担当者から求人紹介の連絡が入るようになります。
一方、転職サイトは自分で求人を検索して企業に応募する形なので、気軽に利用することができます。
転職エージェントはアドバイスが受けられる
転職のプロからアドバイスを受けられるのは、転職エージェントです。
転職エージェントでは必ず担当者が付くので、転職に関する有益なアドバイスを受けられます。
一方、転職サイトでは担当者が付かないため、自分で転職ノウハウを調べたり企業情報や求人情報を確認したりするしかありません。
転職エージェントの方がサポート力あり
サポート力が高いのは転職エージェントです。
- 転職相談や求人のあっせん
- 企業情報の提供
- 企業への応募や面接日程の調整
- 企業への推薦送付
- 模擬面接や書類添削サービス
- 企業との交渉
- 転職後のフォロー
などのサポートが受けられます。
一方、転職サイトでは、これらの全てを自分一人で対応する必要があります。
転職エージェントの方が求人の量が多い
求人の情報量は、転職サイトや転職エージェントの規模やカバー範囲によって異なります。
大手の転職サイトや転職エージェントの方がより求人情報量が多いですが、特化型の転職サービスの方が自分に合った求人が多いこともあります。
転職エージェントの方が成功率が高い
転職サポートが手厚い転職エージェントの方が、転職成功率が高いでしょう。
転職サイトを利用すると模擬面接や書類添削サービス、転職相談や企業との交渉サービスなどを受けられないため、転職成功率が低い傾向があります。
未経験での転職はエージェント・サイトの併用がおすすめ
未経験での転職に関しては、転職エージェントと転職サイトの両方を併用したいです。それぞれの得意分野が異なるからですね。
転職サイトは自由に転職活動ができるので、異業種への転職でも実現できる可能性があります。
転職エージェントでは、同業種、同職種への転職を勧められるケースが多いのですね。
未経験はできるだけ多くの企業に目を通したいですから、両方に登録してどちらのメリットも受けられるようにしておきましょう。
転職エージェントの選び方
自分に合った転職エージェントを選ぶためにはどうすれば良いのかを、ご説明します。
自分に合った求人の掲載数が多いか
まずは簡単に求人検索してみて、自分の希望条件にマッチした求人がどれくらい出てくるのか調べてみてください。
そして、マッチする条件の求人がなるべく多いエージェントを選ぶようにしましょう。
自分が目指す業界や職種に特化したエージェントを選ぶ、求人数が多い大手エージェントを選ぶのもおすすめです。
サポート内容が自分に合っているか
自分に合ったサポートを受けられる転職エージェントを選びましょう。
模擬面接や書類添削を受けたい、希望している企業や業界の情報が欲しい、転職後のフォローを受けたいなど、どんなサポートを受けたいかによって選ぶエージェントは変わります。
転職エージェントの利用に向いている人
転職エージェントを使った方が良いのはどのような人なのかを、ご説明します。
仕事が忙しく転職活動をする暇がない人
転職エージェントに登録すれば、膨大な求人情報からマッチする求人の紹介、企業への応募や面接日程調整、年収交渉など、面倒なことを全て対応してくれます。
そのため、仕事が忙しすぎて転職活動になかなか時間を割けない人におすすめです。
誰かに相談しながら転職活動を進めたい人
転職エージェントには、転職のプロの担当者がいます。
そのため、企業情報や求人情報について質問したり面接について教えてもらったり、誰かに相談しながら転職活動を進めることができます。
一人で活動を進めるのではなく、誰かに相談しながら転職活動を進めたい人におすすめです。
転職エージェントを利用しなくてよい人
転職エージェントを利用しなくても良い人は、ずばり「転職エージェントが情報を持っていない企業を狙っている人」ですね。
- 転職エージェントを利用していない中小企業
- 創業して間もないベンチャー企業
- 社団法人・財団法人・公的機関など
これらは転職エージェントが求人情報を持っていないので、そもそも紹介してくれません。
転職サイトや企業の公式サイトからの直応募で転職活動するしかありませんね。
転職が初めての人におすすめの転職エージェント
初めて利用する人におすすめの転職エージェントをいくつかご紹介します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界最大手の転職エージェントです。
- 業界ナンバー1の非公開求人数
- 優秀なキャリアコンサルタントが集まっている
- 充実したサポート内容
リクルートエージェントは業界最大手のエージェントなので求人数もトップクラスであり、非公開求人の数は約20万件以上と業界トップクラスです。
さらに、優秀なコンサルタントが在籍し、充実したサポートを受けることもできるため、転職エージェント初心者にもおすすめです。
レバテックキャリア
レバテックキャリアはITエンジニア経験者に特化した転職エージェントです。
保有求人7000件以上のうち8割以上が年収600万円以上のハイクラス求人となっています。年収アップやキャリアアップを狙うITエンジニア経験者におすすめです。
エンジニア職に強いエージェントのため、IT系の専門用語や最新技術に詳しい担当者が多数在籍しています。企業別の対策にも力を入れており、企業ごとに職務経歴書作成のアドバイスや面接対策をしてくれます。
IT業界に特化しており、ハイクラス求人も豊富に取り扱っています。まずは登録すべきエージェントと言えるでしょう。
パソナキャリア
パソナキャリアは、実績が40年と業界の中でも老舗のエージェントです。
- 女性向けの転職に実績がある
- 約40,000件と豊富な求人数
- キャリアコンサルタントが親身で丁寧
老舗エージェントで実績豊富なため安心して利用することができ、特に女性向けの転職に定評があります。
約40,000件と求人数が豊富です。キャリアコンサルタントが親身で丁寧なので初めての人向けな転職エージェントです。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、リクルートエージェントと並び業界最大手の転職エージェントです。
- 20代の転職に強みを持つ
- 独占求人が豊富
- キャリアコンサルタントが親身で丁寧
マイナビエージェントは20代の転職に強みを持つエージェントであり、20代向けの求人数が豊富です。
独占求人が多く、条件の良い求人を見つけられるでしょう。
キャリアコンサルタントの対応が親身で丁寧なので、初心者も安心して利用することができます。
転職エージェントの利用方法・流れ
転職エージェントを利用する際の、一般的な利用方法や流れについてご紹介します。
WEBから登録する
まずは、転職エージェントのWEBサイトにて、登録します。
その際に、名前や生年月日などの情報と、転職時期、転職先の希望、過去の経歴などを入力します。
この情報をもとに担当者が求人検索するので、できるだけ詳しく記入すると良いでしょう。
面談の日程調整
登録が完了すると、後日、担当者から最初の面談日程の調整のための電話がかかってきます。
面談を受ける
転職エージェントのオフィスに行くか、電話やスカイプなどで、最初の面談を受けます。
ここで、担当者からサービス内容の説明と、転職希望条件や過去の経歴などのヒアリングが行われます。
あらかじめ質問したいことや、条件などをまとめておくと、話がスムーズです。
求人を紹介される
ヒアリングの結果をもとに、担当者が求人を紹介してくれます。
電話やメールなどで求人情報が届くので、質問や相談したいことがあれば積極的に担当者と連絡をとりましょう。
もちろん、自分で求人を検索することも可能です。
応募、書類審査、面接へと進む
希望の求人が見つかれば、応募、書類審査、面接へと進みます。
企業への応募や書類の送付、面接日程の調整などは、全て担当者が対応してくれるので安心です。
内定受諾、退職交渉、入社
内定が決まれば、今働いている会社を退職し、転職先への入社へと進みます。
その際にも、退職交渉や転職先との待遇交渉などについて、キャリアコンサルタントからサポートを受けることができます。
また、入社後にも困ったことがあれば相談することも可能です。
初めての人は転職エージェントを利用した方がスムーズ
転職エージェントのサービス、メリット、デメリットについて解説しました。
転職が2回目以上の人はご自身でできる部分も多いでしょう。
ただ、初めての人は職務経歴書を一から作らなければなりませんし、就活とは違う面接のイメージも沸かないかと思います。
一人では不安ですし大変ですね。
自分をサポートしてくれる存在がいるだけで心強いです。転職成功までしっかりサポートしてくれます。
無料ですし、非公開の求人も紹介してくれるので選択肢が増えます。
利用しない手はありませんね。
エージェントを上手く活用して、ぜひ転職を成功させてください。
本記事で紹介した転職エージェント
転職エージェント (公式サイトに移動します) |
特徴 |
リクルートエージェント | 国内最大手の転職エージェント |
レバテックキャリア | IT経験者向けのハイクラス求人に特化 |
パソナキャリア | 丁寧な対応、女性の就労支援に力を入れている |
マイナビエージェント | 独占求人あり、20代の転職に強みを持つ |