SEはプログラミングの他に要件定義やシステム設計など行います。
顧客とコミュニケーションを取ってプロジェクトがうまく進むように調整するのも一つの業務です。
このようにSEには様々なスキルが求められます。
そのため、SEに転職するために独学するといっても、何から手を付けたらよいのか分からなくなる人も多いでしょう。
上であげたような様々なスキルを身に付けるには時間がかかります。コミュニケーションを取る調整業務やシステム設計などは勉強ではなく経験で学ぶものです。
- 何をやったらいいか分からない
- 時間がかかる
- 経験が大事
こうなってくると独学でSEは無理なのかな?
と思ってしまいますよね。
ただ、実際はそんなことはありませんのでご安心ください。
ここから先でSEになる方法、独学の手段を解説したいと思います。
目次
独学でSEに転職するなら未経験OKな職種を狙う
この記事を読んでいる読者は、
「独学でSEになりたい」
という訳ではなく、「IT業界に入りたい」「将来SEになりたい」という人がほとんどではないでしょうか。
とすると独学は手段。
「IT業界に入る」「いずれSEになる」のが目的のはずです。
だとすると最初にやるべきことは『難易度の低いIT系職種を探すこと』になりますよね。
ここでは、難易度の低いIT系職種と転職活動の方法を解説します。
IT系で難易度の低い職種
IT系で難易度の低い職種は以下の3つです。
- ヘルプデスク
- テクニカルサポート
- PM・SE補佐
難易度が低いというより、プログラミングなど高度なスキルが無くても転職できる職種ですね。
「まずはIT業界に入る」と考えている人は上の3つを狙ってまずは行動してみましょう。
勉強なしで転職できるのがメリットですね。
実務をこなしながらITスキルを学べるのでスキルの吸収力も違ってきますよ。
転職時エージェントの利用は必須
未経験の業界にチャレンジするときは転職エージェントの利用は必須でしょう。
必須な理由は以下の4つです。
- 非公開の求人情報
- 経歴書の添削・模擬面接
- エージェントが推薦状を書いてくれる
- エージェントを通して交渉ができる
特に、非公開の求人数は転職サイトで閲覧できる求人数の3〜4倍あります。
20件より80件の求人数の方が良いですよね。
選択肢が多い方が自分に合った仕事が見つかりやすいです。
母数が多い方が成功する確立も高くなります。
まずは登録だけしておいて、非公開の求人情報を収集する。という方法もありです。これなら今すぐにでもできそうですね。
「まずは転職」と考えている人は、エージェントは積極的に利用しましょう。
IT系に強いオススメ転職エージェント
独学でSEに転職するための勉強方法
ここからはSEに転職するための勉強方法を解説します。
独学である程度学んでから転職する人向けの内容です。
- 資格試験で独学する
- 書籍で独学する
- Webサービスで独学する
の3つになります。SEになるために独学するなら「書籍で独学する」以外は必須です。
資格取得を通じてITの知識を身に付ける
SEはプログラミング以外にITの基礎知識が必要です。
体系化されている資格試験の勉強をすることで基礎知識が身につくでしょう。
ここでは、基礎知識が身に付くIT系の資格と勉強用の書籍を紹介します。
基本情報技術者
情報処理推進機構(IPA)により実施されている資格試験です。
アルゴリズムといった技術力に関する項目から、プロジェクトやサービスのマネジメント、企業経営の基礎まで幅広い範囲が問われます。
この資格があれば、IT技術者としての最低限の能力を持っていると言えるでしょう。
有名な資格なので参考書も多く出版されていますが、とりあえず手をつけてみるなら次の本がおすすめです。
「理解できなそう」「書籍は苦手」という人はオンラインの動画講座がおすすめです。スマホやパソコンがあれば自宅でも通勤中でも学習できるのがメリットです。
おすすめは以下のオンラインサービスです。
- スタディング ※動画とテキストあり、本格的なオンライン講座
ITパスポート
いきなり基本情報技術者ではハードルが高いと感じた方は、同じくIPAにより実施されているITパスポートを検討してみましょう。
基本情報技術者同様に幅広い範囲から出題されます。
ただし、ITを利活用する全ての社会人に向けた試験として位置づけられています。内容自体は基本情報技術者に比べて簡単です。
参考書の一例として、次の本をおすすめします。
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室
イラストと文章のバランスが良いため、これまでITに縁がなかった人でも勉強しやすい構成になっています。
書籍で勉強する
SEの基本
SEとは何をする仕事で、どのような能力が要求されるかをまとめた本です。
プロジェクト管理やコミュニケーションスキルなどについても触れられています。就活の際に志望動機や自己PRを説明するときにも役立つ内容もあり、まさにSEになるための本と言えます。
但し、タイトル通り教科書といった傾向が強く、今までにITに全く縁がなかった人の場合、読み進めるのに少々時間がかかってしまうかもしれません。
新人エンジニアのためのインフラ入門
ITインフラとは何か、という基礎的な内容から始まり、サーバーやネットワーク、セキュリティといったインフラ全般について学ぶことが出来ます。
入門書として位置づけられており、他の書籍に比べれば未経験者でも読みやすい本です。
インフラ系に興味があるならぜひ読んでおきましょう。
Webサイト上のプログラミング学習サービスを活用する
Progate(プロゲート)
イラストを中心としたスライドでプログラミングを学ぶことが出来ます。
また、ブラウザ上の簡易な開発環境でプログラミングを行いながら勉強できるため、独学であっても勉強しやすいサービスと言えるでしょう。
但し、無料会員で利用できる内容は入門的な内容に限られており、有料会員にならなければ進んだ内容を身に着けることができません。
取り扱っているプログラミング言語がややWeb系に偏っている傾向があります。
ドットインストール
3分動画でプログラミングが学べる初心者向けのプログラミング学習サイトです。
Webサービスの作成からAndroidアプリ作成、サーバー構築まで幅広いコンテンツを無料で利用できます。
プログラミングの勉強を何から始めていいから分からない方は、まずこちらから勉強を始めてみると良いでしょう。
有料会員になると、ソースコードの閲覧や中上級者向けコンテンツの閲覧が可能になります。
Ping-t
CCNA/CCNPやITパスポートといった試験の合格を目指す人を支援する学習サイトです。
これらの試験の過去問集や助け合いフォーラムを無料で利用できるため、資格取得を目指しており、独学が難しいと感じているのであれば大いに手助けになるでしょう。
有料会員になるとまた、より多くの問題集や教材が利用できるようになります。
独学するならまずは身に付けやすいスキルから
SEとして必要なスキルについて調べてみると論理的思考力やシステム設計能力といったスキルがよく挙げられています。
しかし、こういったスキルは何をもってそのスキルが身に付いたのかが分かりにくいです。
また実務に取り組まない限り中々伸ばしづらいスキルでもあります。
それよりは、次に示すような分かりやすいスキルを身に着けた方がSEへの転職はしやすくなります。
情報処理に関する基礎知識は資格取得を通じて学ぶ
確率統計やアルゴリズム、ネットワークやデータベース、セキュリティといった情報処理に関する基礎的な素養はどこに転職する場合でも必ず必要になります。
これらの知識を体系立てて身に着けたいのであれば、資格取得にも繋がるITパスポートや基本情報技術者試験が一番お手軽です。
勉強方法は「書籍」または「オンライン講座」が良いでしょう。スクールに通って学ぶほどの資格試験ではありません。
>> オンライン講座『スタディング』の詳細を見る | 公式サイトへ
プログラミングまたはインフラに関するスキル
未経験から転職する場合でも、この2つのスキルは最低でもどちらか一つはあったほうがよいでしょう。
プログラミングスキルを身に付けるのであれば、特定のプログラミング言語を使って簡単なプロダクトを作成してみましょう。
インフラに関するスキルであれば、サーバーを実際に構築してみるといった経験を積んでみましょう。
どちらもGoogle検索すれば入手できる情報です。後は実際にやるかどうかです。
ただし、調べながらになるため時間はかかります。
「時間をかけたくない」」「カリキュラムに従って効率よく学習したい」という人はスクールの利用も検討しましょう。
プログラミングスクール、インフラエンジニアスクールについては本サイトのトップページをご覧ください。
MicroSoft Office製品もできると良い
SEとして評価されるスキルではないですが、ExcelやWordといった事務ソフトウェアはSEの仕事でよく利用します。
使えないとなると、業務に支障を来してしまうだけでなく、ITに対する基本的な素養すら疑われてしまいます。
最低限の使い方は抑えておきましょう。
ExcelについてはVBAまで使えると一つのスキルとして認められることが多いです。
幸い、Office製品はメジャーなソフトウェアなので、Web上に良質な資料が多数存在します。
独学の挫折を避けるために
プログラミング時のエラーはQ&Aサイトで
実際にプログラミングをしていると、エラーが出てそれを解消できず、それ以上先に進めなくなってしまうことがよくあります。
そんなときは、teratailといったQ&Aサイトを有効活用しましょう。
Q&Aサイトを利用する際は、まずは自分と同じような質問がないかよく探してから質問するようにします。
同様の質問がなければ、自分で質問してみましょう。
このとき、「何か動かなくなった」と質問してはいけません。
自分の環境やこれまでにエラー解消に向けて取り組んできた内容、本来期待する動作などを詳しく書くことで、回答者もより誠実に答えてくれます。
自分が分からないことを適切な質問により解決できることもSEとして必要な素質の一つですので、これも訓練だと思って取り組みましょう。
書いている意味が分からなければGoogle検索
書籍や専門書で分からない点があればGoogle検索を使って調べてみましょう。
最先端の技術やマイナーな技術、あるいは非ITの技術だとGoogle検索では出てこないことも多いのです。
ただ、IT業界で、なおかつ書籍や専門書の形でまとまっている技術であれば、ほぼ確実にGoogle検索で答えや異なる切り口の解説を調べることができます。
AND検索やOR検索など、Google検索にはより目的に近い情報を得るために様々な機能がありますので、これらも活用してみましょう。
独学に無理を感じたら外部機関を利用する
職業訓練校を利用する
離職者限定のサービスではありますが、テキスト代を除けば受講料は無料。条件さえ満足していれば多少の手当てを貰いながら学ぶことが出来ます。
但し、学べる内容はOffice製品の基本的な利用方法やExcel VBAなどであり、プログラミングについてはJavaなどごく一部に限られています。
興味があればハローワークで相談してみましょう。
プログラミングスクールを利用する
独学でプログラミングを学ぶのが困難だと感じたらスクールの利用も検討してみましょう。
しっかり身に付けるには30万〜50万ほどかかりますが、エンジニア転職して給料も上がれば回収できる金額でしょう。
クレジットカードによる分割払いも可能です。
30歳を超えると未経験からの転職は難しい
未経験の採用は、若さゆえのタフさや今後の伸び代が評価されているという側面が大きいです。
そのため、30歳を超えてしまうと、優れた素養やプライベートでの開発実績がない限りは、いくら独学したとしてもSEへの転職は困難です。
30歳に近い年齢の方は、短期間で技術が身に付くように身を入れて勉強に取り組まなければなりません。
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非IT業界からSEに転職する人の中でも、とりあえずIT業界に転職して実績を積みたい人や現時点で具体的なキャリアパスが考えられない人にはお勧めです。
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IT業界に特化した転職エージェントです。
年3,000回ほど企業に訪問し情報収集を行っているため、企業の内情に詳しい点が特徴です。
IT業界を専門としているためエージェントにも最新技術の話が通じ、自身のキャリア志向にあった求人を紹介してくれます。
他にも、面接への準備として模擬面接を実施してくれますし、面接で失敗した場合でもエージェントが人事にフォローを入れてくれるなど、サービスは充実しています。
但し、即戦力として働けるような能力・実績がないと求人が紹介されないこともあるようです。
IT業界内からSEに転職する場合や、より好待遇の職場に転職したい場合にはオススメです。
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